障害のある人へのコミュニケーション支援に関するアンケート調査について

 

障害のある人へのコミュニケーション支援に関する関心度について

平成21年11月27日(金)から29日(日)の3日間、西日本総合展示場で開催された、西日本国際福祉機器展会場内において、来場者(福祉関係者、医療関係者等)に対し「障害のある人へのコミュニケーション支援」に関するアンケート調査を実施しました。

 

アンケートの結果から見えるもの

アンケート調査の結果、アンケートにお答えいただいたほとんど全ての人が、障害のある人へのコミュニケーション支援に関心があるという結果となりました。そして、実際に障害のある人たちの支援に関わる中で、コミュニケーションについて困ったことがあったという割合もかなり高い結果となっています。

(障害のある人へのコミュニケーション支援に関するアンケートの集計を参照)

その反面、それぞれでコミュニケーション支援に関する研修や勉強会を実施している割合はかなり低い結果となっています。

このことから、それぞれで困っている事はあるが、「どう解決したらいいか分からない」、「コミュニケーションの方法を知りたい」と多くの方が記述されているとおり、コミュニケーション支援に関しての関係者の連携・情報共有の必要性が求められている事がうかがえる結果となっていると思います。

 

障害のある人へのコミュニケーション支援に関するアンケートの集計

障害のある方のコミュニケーション支援に関心があるか?

職種

(総数)

医師・看護師

(7)

OT・PT・ST

(38)

介護職

(27)

相談員・支援員

(26)

介護支援専門員

(11)

教員

(8)

ボランティア

(5)

全体

(122)

ある

7

38

27

26

10

8

5

121

ない

0

0

0

0

1

0

0

1

パーセント

100%

100%

100%

100%

91%

100%

100%

99%

障害のある方と接した中でコミュニケーションについて困ったことはあるか?

職種

(総数)

医師・看護師

(7)

OT・PT・ST

(38)

介護職

(27)

相談員・支援員

(26)

介護支援専門員

(11)

教員

(8)

ボランティア

(5)

全体

(122)

ある

6

36

22

22

9

8

3

106

ない

0

2

3

4

2

0

2

13

無回答

1

0

2

0

0

0

0

3

パーセント

86%

95%

81%

85%

82%

100%

60%

87%

職場・事業所でコミュニケーション支援に関する研修会を開催しているか?

職種

(総数)

医師・看護師

(7)

OT・PT・ST

(38)

介護職

(27)

相談員・支援員

(26)

介護支援専門員

(11)

教員

(8)

ボランティア

(5)

全体

(122)

ある

0

6

11

6

4

3

4

34

ない

6

32

15

20

7

5

1

86

無回答

1

0

1

0

0

0

0

2

パーセント

0%

16%

41%

23%

36%

38%

80%

28%

 

 

[参考資料]

支援者を対象としたコミュニケーション支援に関するアンケート

 

<職種・分野等>(回答数122)

1.職種を教えてください。

医師・看護師

OT・PT・ST

38

介護職

27

相談員・支援員など

26

介護支援専門員

11

教員

ボランティア

 

2.お勤め先は?

在宅福祉現場

60

入所福祉現場

17

医療現場

33

教育現場

12

 

3.主に障害者関係、高齢者関係のどちらの関係者ですか?

障害者関係

50

高齢者関係

29

障害・高齢者関係両方

43

 

4.コミュニケーション支援の従事歴は?

1年以内

23

1年から5年以内

40

5年から10年以内

29

10年以上

30

 

<障害のある人とのコミュニケーションについてなど>

1.障害のある方と接したことはありますか?

ある

122

ない

※あると回答された方へ、それは業務上ですか?ボランティアですか?(複数回答)

業務上

122

ボランティア

74

その他

26

 

2.障害のある方のコミュニケーション支援について関心はありますか?

ある

121

ない

※あると回答された方へ、なぜ関心を持たれたのですか?(複数回答)

仕事(業務)の中で障害のあるかたと接したため

122

ボランティアで障害音ある方と接したため

122

テレビ等の、メディアで影響を受け関心を持ったため

12

 

3.障害のある方と接した中でコミュニケーションについて困ったことはありますか?

ある

106

ない

13

無回答

※あると回答された方へ、どのような場合に困りましたか?

(→アンケート自由記述の欄の回答)

 

4.障害者へのコミュニケーション支援で、どんなことを知りたいですか?

(→アンケート自由記述の欄の回答)

 

5.あなたの職場(事業所)や地域でコミュニケーション支援に関する研修会を開催していますか?

開催している

34

していない

86

無回答

※あると回答された方へ、あなたはその研修会に参加されたことはありますか?

ある

27

ない

 

6.最後に、あなたにとってコミュニケーションとは?

(→アンケート自由記述の欄の回答)

 

 

[アンケート自由記述の欄の回答]

3.障害のある方と接した中でコミュニケーションについて困ったことはありますか?

※あると回答された方へ、どのような場合に困りましたか?

・言葉の理解ができずコミュニケーションがとれない。

→相手の持つコミュニケーション手段を持っていない。(その人にあったコミュニケーション方法)

・非言語コミュニケーションの理解。

・言葉の意味の受け取り方の違い。

・気持ちが理解してあげられなかった。コミュニケーションに時間がかかる。

・細かいニュアンスを伝えにくい。

・障害のある人との接し方が分からない。(脳性マヒ、脊損、ALS、失語症、盲ろう、視覚障害、聴・覚障害、高次脳機能障害、自閉症、発達障害、知的障害、精神障害、認知症)

・どのように声を掛けていいか分からない。

・意思表出が明確でない(極端に少ない)方との関わり方。

・どこまで手をだしたらいいか分からない。

・フィッティング分からない。(入力部位の選定、適合)

・機器の使い方が分からない。(活用できない)

・キーパーソン(親、介助者)と本人の意見が違っている。

 

4.障害者へのコミュニケーション支援で、どんなことを知りたいですか?

・障害のある人とのコミュニケーション方法。

・支援機器について。

・コミュニケーションで必要な福祉用具。

・使いやすいコミュニケーション機器。

・コミュニケーション支援機器の導入の仕方。指導方法。

・実際に自宅でどのように使いこなしているか。

・個的支援の現状と、ネットワーク等の社会資源。

・障害に関わらず、基本となる支援技術。

・障害特性に応じた支援技術。

・いろいろなコミュニケーション支援の事例。

・支援を必要として入る人のニーズ。

・障害特性にあった機器のフィッティングの方法。

 

6.最後に、あなたにとってコミュニケーションとは?

・こころのつながり(ふれあい)

・手段を問わず、伝えて分かりあうこと。

・社会生活、自立生活をする上でとても大切なもの。

・人とのつながりを広げるための一手段。

・相手のことを知るために必要なもの。

・人間にとって最も必要なもの。

・お互いの気持ちや考えが通じ合うこと。(意思の疎通ができること)

・意欲の向上、低下に大きく影響のあるもの。

・何気ないやり取りから相手のニーズを読み取れるもの。

・人と人とをつなぐツール。

・自己表現、他者理解。

・会話等で一緒に楽しい時を過ごすもの。

・信頼関係、人間関係を築く手段。

・光を届けるもの。

・お互い笑顔になれるもの。

・喜びを共感するもの。