重度障害者意思伝達装置(他の支援機器も含む)の導入支援
北九州市立障害福祉センター
理学療法士 久保かおり
□ 重度障害者意思伝達装置(他の支援機器も含む)の導入支援
障害福祉センターでは、神経難病患者等に対して、コミュニケーションに関する専門相談を行なっており、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がチームを組んで相談支援を行なっています。
ここでは、補装具の給付対象品目である「重度障害者意思伝達装置」の導入支援について紹介します。
「重度障害者意思伝達装置」とは、疾病により、発声ができなくなり、体も動かなくなって筆談もできない方のコミュニケーションを確保する手段の一つです。障害福祉センターでは、相談、判定、フォローアップ等を行なっています。
困りごと
(本人、家族) ・コミュニケーション手段を確保したい ・疾病が進行し、会話が難しくなった ・慣れた人しか意思が伝えられないなど |
(支援者)医療機関、居宅事業所等 ・コミュニケーション手段について一緒に検討してほしい ・スイッチの検討に困っている ・機器を借りて試してみたなど |
相談
(相談窓口)各区役所生活支援課 保健福祉相談係or障害福祉センター
♪お気軽にご相談ください♪ ♪一緒に考えていきましょう♪
訪問支援
障害福祉センターのリハ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が
チームを組んで訪問支援を行います。
(支援内容)
・機器の検討・・・・・重度障害者用意思伝達装置の機種選定、導入時期の検討など
・スイッチの検討・・・適切な機種の選定など
・機器の貸し出し・・・一定期間の試し利用に機器を貸し出します
・フォローアップ・・・機器が継続利用できるように支援を行ないます
・給付判定等・・・・・訪問等による判定を行いますなど
関係機関との連携
医療機関や関係機関と連携をし、機器が継続して利用でき、活用の幅を広げていけるように、関係機関と連携し協同して支援を進めていきます。
□ 制度の紹介(一部抜粋)
@重度障害者意思伝達装置
福祉制度 |
補装具費の支給 *更生相談所の判定必要 |
対象者 |
両上下肢の機能全廃及び言語機能を喪失した者であって、コミュニケーション手段として必要があると認められる方 |
給付限度額 |
450,000円 |
耐用年数 |
5年 |
(例)「伝の心」
A携帯用会話補助装置
福祉制度 |
日常生活用具の給付 |
対象者 |
音声機能若しくは言語機能障害者又は肢体不自由者であって、発声・発語に著しい障害を有する者 |
給付限度額 |
98,800円 |
耐用年数 |
5年 |
(例)「トーキングエイド」
B情報・通信支援用具
福祉制度 |
日常生活用具の給付 |
対象者 |
視覚障害又は上肢障害2級以上(原則として現に情報機器(PC)を所有していること) |
給付限度額 |
100,000円 |
耐用年数 |
6年 |
(例)スイッチ関連等
☆利用者負担金・・・原則、1割負担(所得状況により負担上限額設定あり)
☆申し込み・・・各区役所 生活支援課 保健福祉相談係
□ 関係者への研修の紹介
医療機関、福祉関係者等に対して、一般研修と専門研修を行っています。
一般研修・・・医療機関、福祉関係者等に対して、コミュニケーション障害をもたらす難病等についての理解とコミュニケーション支援の理解を深めてもらうことを目的に1回/年 実施しています。どなたでも参加可能です。
専門研修・・・難病患者等をサポートしている医療機関等に対して、コミュニケーション機器の適合技術研修を実施し、スキルアップを図っています。
<参考資料>
AAC一般研修会 開催実績一覧
年度 |
日時 |
内容(テーマ) |
講師(職種) |
参加者数 |
14 |
3月19日(水) 13:30〜17:00 アシスト講堂 |
コミュニケーション支援技術の基本 コミュニケーション及び生活支援機器の現状 |
リハ工学士 |
70 |
障害福祉センターのコミュニケーション支援活動の現状 |
障害福祉センターST |
|||
15 |
12月15日(火) 13:30〜16:00 アシスト講堂 |
難病患者の生活支援について |
訪問看護ステーション管理者 |
199 |
障害福祉センターの機器支援に対する活動紹介 |
障害福祉センターST |
|||
16 |
2月5日(土) 14:00〜16:00 ウェルとばた中ホール |
往診医からみた神経難病の在宅療養上の問題点 −ALSの患者を中心にして− |
医師 |
217 |
障害福祉センターの難病患者等のコミュニケーション支援事業の紹介 |
障害福祉センターST |
|||
17 |
11月26日(土) 14:00〜16:00 ウェルとばた 多目的ホール |
難病患者の在宅支援−意思伝達の視点から−意思伝達の視点から− |
医師 |
108 |
難病患者のコミュニケーション支援について −事例から− |
医療機関ST 医療機関OT |
|||
18 |
11月14日(火) 18:30〜20:30 ウェルとばた 多目的ホール |
難病患者の在宅支援の制度について |
医療機関MSW |
95 |
難病患者の在宅支援について −事例から− |
訪問看護ステーション管理者 |
|||
難病患者のコミュニケーション支援について |
障害福祉センターST |
|||
19 |
2月19日(火) 18:30〜20:30 ウェルとばた 多目的ホール |
在宅の難病患者の生活支援とコミュニケーション支援について −ケアマネーシ゛ャーの立場から− |
居宅介護支援事業所 CM(Ns) |
85 |
実習「文字盤、透明文字盤の使い方」について」 |
障害福祉センターST |
|||
20 |
2月24日(火) 18:30〜20:30 ウェルとばた 多目的ホール |
在宅の難病患者の生活支援とコミュニケーション支援について−ケアマネーシ゛ャーの立場から− |
ヘルパー事業所 サービス管理責任者 |
70 |
コミュニケーション支援機器に関する情報提供 |
障害福祉センターST |
|||
グループディスカッション「難病患者の支援に関する情報交換」 |
|
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21 |
2月10日(水) 18:30〜20:30 ウェルとばた 多目的ホール |
医療機関でのコミュニケーション支援の取り組み |
医療機関OT |
71 |
グループディスカッション |
|
※講師の個人情報の表示は控えさせていただきます
<参考資料>
□ 機器の紹介(一部抜粋)
スイッチ関連
☆機械スイッチ
角型スイッチ
・押して利用
・弱い方でも入力できます
ジェリビーンスイッチ+ユニバーサルアーム
・押して利用
・アームの関節が自由に動くので様々な姿勢での利用が可能です
☆センサースイッチ
ピエゾセンサースイッチ
・微弱な筋肉の動きを皮膚のたわみとして感知します。
・微弱な随意運動でも入力できます
アシスタンド
・ベッドで寝た状態でもパソコン画面を見ることができます